同義の言葉の違いを関係性技術を使って比較する

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2015年10月20日

以前「周囲との関係性が似ているものは同義?」というコラムで同義のキーワードが関係性技術ではどのように表れてくるかをご紹介しました。
そこでは、「アプリ」と「アプリケーション」、「スマホ」と「スマートフォン」など同義のキーワードは「共感性」が強い関係になる、という結果となりました。

しかし、同義のキーワードでも近い距離に出てくるノードや各指標ごとに出てくるキーワードの順位などは、完全に同じにはなりません。むしろ、全く関連のなさそうなキーワードさえ出てきます。

同義でも関係性が全く異なる部分があるということは、そのキーワードの使われ方や位置づけに違いがあるのではないでしょうか。

これを関係性技術を使って評価してみました。

検証:キーワードの使われ方を調べる

ニュースの関係性を用いて、「アプリ」と「アプリケーション」両方のつながりの数と特異性を比較してみました。
つながりの数は一般性を表すことから、両方の言葉がニュースの中でどのくらい一般的に認識されているかを比較することができます。それぞれのノードのつながりの数を見てみると、「アプリ」は2775あるのに対し、「アプリケーション」は103と大きな差がありました。ニュースの関係性上では、「アプリ」のほうが一般性が圧倒的に大きいようです。

また、それぞれのノードの特徴を見るために、両方のノードを基点とした場合の「特異性ランキング」をそれぞれ出してみました(図1)。

図1 特異性ランキング
図1 特異性ランキング

「特異性」とは、一般的ではないがそのノードにとって重要である度合いを表します。これを比較すれば、「アプリ」と「アプリケーション」それぞれのキーワードの特徴を捉えることができると考えました。

ここでは二つのノードの違いを確認したいので、両方の特異性ランキング上位約100位の中から共通するノードを取り除き、残った74個のノードを再度ランキングしてみました(表1)。

表1 特異性ランキング(共通抜き)
表1 特異性ランキング(共通抜き)

結果・考察:同義の言葉も実は使い分けられている

「アプリ」の特異性では、「スマートフォン」 「スマホ」が1位、2位に現れました。
「アプリ アプリケーション」というキーワードで検索サイトを調べてみると、「スマートフォンの登場をきっかけにアプリケーションをアプリと略す傾向が強い」という旨の記述が複数あり、納得できる結果となりました。

また、「アプリ」では「市場予想」「前年同月比」「速報値」などの経済関連のキーワードが多いことに比べ、「アプリケーション」では「不審」「逃走」「操作」など民事事件に関連しそうなキーワードが多く現れました。ここから、ニュースの関係性の中では、どうやら「アプリ」は経済に関連した話題で多く使われ、「アプリケーション」は関連する事件で使われている言葉なのではないかということが見えてきます。

まとめ

今回の関係性技術の検証によって、同義だと認識されている言葉でも実は潜在的に使い分けられていることが分かってきました。この方法を応用すれば、曖昧な言葉の定義や概念などが人間に近い品質で処理できるようになるかもしれません。

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