Webサイトで伝えたいこと、伝わっていることを分析する

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2016年03月08日

Webサイトの効果を分析するための手法として、アクセス解析のツールが当たり前に使われるようになりました。ページへの流入や遷移だけではなく、ページ内での導線解析ツールとしてヒートマップツールを使っている事業者も多いことでしょう。これらはWebサイトの効果を定量的に分析するものです。分析結果をもとにWebサイトを改善することが目的ですが、そもそも制作者がWebサイトを通して伝えたいことと、閲覧するユーザに実際に伝わっていることが合致しているかどうか、を定量的に分析するのは難しいのが現状です。

伝えたいことと伝わること

そこで関係性技術を用いて、「制作者がWebサイトを通して伝えようとしていること」と「実際にユーザーに伝わっていること」を分析してみることにしました。この二つを定量的に表現できれば、二つを照らし合わせてWebサイトを改善するためのツールとして利用できるのではないでしょうか。

検証方法

今回は、Webサイト上で伝えたいキーワードを関係性技術によって抽出し、サービスや取り組みに関連するキーワードを取り出して、ページビュー数を確認するという方法で検証してみます。

今回は対象のサイトを神戸デジタル・ラボのコーポレートサイトとしました。
まず、Webサイト内のテキストで一文に出現するキーワード同士に直接関係ができるように関係性を作ります。社名である「神戸デジタル・ラボ」と関係が強いキーワードほどサイト内によく出現している=制作者が伝えたいこと、と仮定し、伝えたいことが伝わっているかを分析して改善を支援できるかどうかを検証します。

■対象サンプリング期間

2015/10/01~2015/10/31

■対象サイト

株式会社神戸デジタル・ラボ コーポレートサイト

■検証手順

  1. Webサイトの各ページのテキスト情報を収集
  2. 収集したテキスト情報を1文ごとに分けて、そこから名詞のみを取り出す
  3. 2で取り出した1文ごとの名詞群ノードとした1イベントとして整理し、関係性を作るための入力データとする
  4. 3で整理した入力データから関係性を作る
  5. 4の関係性から「神戸デジタル・ラボ」を基点ノードとして抽出し、「弊社の具体的な取り組み(=サービスに関連する)を表すノード」のみに絞り込み、関係の強い上位5ノードを取り出す。
  6. 5で取り出したノードのキーワードがサイト内で出現している全ページを抽出する。
  7. 6で見つけ出したページの検索結果の上位10ページのページビュー総数をノードごとに確認する。

検証方法

※「イベント」「ノード」などの用語については「関係性かんたんガイド」をご参照ください。

検証・考察結果

表の説明はこちら

ノード A:距離 B:サイト制作者が
伝えたい度合い
(距離の逆数)
C:閲覧者に
キーワードが
伝わる度合い
D:印象度スコア
(BxC)
神戸経済新聞 0.0157708 63.40819022 368 23334.214
ハイグレードECパッケージ 1.4419274 0.693516188 3725 2583.347802
介護 1.4455503 0.691778053 2814 1946.66344
サービスサイエンス 18.559001 0.05388221 518 27.91098485
脆弱性 19.445853 0.051424846 5895 303.1494654

「神戸デジタル・ラボ」と距離が近いキーワードは「サイト制作者が伝えたいこと」と捉え、距離が近い(小さい)ほど伝えたい度合いが大きくなるよう、距離(A)の逆数をサイト制作者が伝えたい度合い(B)としました。
Cはサイト内で対象のキーワードが含まれるページを洗い出し、ページビュー数が多い上位10ページのページビュー合計値を表しています。これはサイトにおけるそのキーワードの露出度、つまりそのキーワードが閲覧者に伝わる度合い(C)とみなすことができます。
サイト制作者が伝えたい度合い(B)と閲覧者に伝わる度合い(C)を掛け合わせた数を、閲覧者にキーワードを印象づける度合い=「印象度スコア(D)」としました。
Bを横軸、Cを縦軸とし、Dをバブルの大きさとすると以下のようなグラフになります。

Webサイトキーワード評価領域

 下のような結果になりました。理想領域にどの用語も入っておらず、何かしら改善が必要ということが考えられます。例えば、ハイグレードECパッケージはもっと伝えたいのでサイト内の露出を増やしてみよう、などです。

Webサイトキーワード評価領域

上記のように可視化することで現状を分析し、それに応じて改善すべき点を考えることができました。これは仮説を立てて改善を行っていくにあたり、指標に基づいた分析ができる、という点では有用といえそうです。  一方で、グラフの可視化の方法については、より見やすくわかりやすい方法が検討できそうです。今回は伝わる度合いとしてページビュー総数を利用しましたが、それ以外の指標、例えば、セッション数や滞在時間等も考慮してもよいでしょう。
 サイト分析の一つの手法として関係性技術を用いることができるかもしれない、ということが分かりました。アクセス解析ツールと合わせて利用すれば、より制作者の意図を反映したサイト作りの支援に役立てることができそうです。

本コラムを作成するにあたって、多大なご助力を頂いた株式会社スパイスボックス様に感謝いたします

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